〔アメリカ日常生活〕

人とのおつきあい

　アメリカと日本とでは、人とのおつきあいの仕方もいろいろと異なります。アメリカ人は感情的で表情豊かです。挨拶ひとつでも、日本人は丁寧にお辞儀しますが、アメリカ人はお辞儀する習慣はなく、ハグしたり握手したりします。

　アメリカと日本では、いろいろな場面で用いるジェスチャーの意味あいが異なることがあります。日本人が好意的に行うジェスチャーもアメリカでは反対の意味になってしまうこともあるので注意が必要です。

　アメリカ人はパーティが大好きで、招待したり、招待されたりします。そんな時にもプレゼントにはどんなものを贈ったらいいのか、訪問時間は早い方がいいのか丁度がいいのかなどマナーもあるのでよく知っておきたいものです。

初対面の挨拶

〔名刺交換〕

　もともとアメリカには名刺というものはありませんでした。しかし、ビジネスの場面で日本人と付き合うようになったアメリカ人たちが名刺の効用を感じるようになったのです。

　アメリカ人は日本人ほど、名刺を重要なものだと考えているわけではないけれど、ビジネスを成功させる潤滑剤的効用に一種の粋で不思議なものと思うようになったのです。

　日本人同士なら初対面の場で名刺を交換することが多いですが、アメリカでは挨拶をして簡単な会話を交わしてから交換するのが一般的です。

ジェスチャー文化の違い

〔挨拶のジェスチャー〕

　アメリカでは親愛の情を示すときに、握手やハグで挨拶するのが普通です。男性同士、女性同士での初対面なら、握手がふさわしいです。

　また、男女の初対面の場合、握手で済ます場合が多いですが、相手の反応をみながら軽くハグするのも一般的です。ハグも挨拶として一般的ですが、握手のように必須というわけでありません。

　ビジネスの場面での挨拶には握手は必須です。タイミングをしっかり掴んで握手して相互に信頼感を高めましょう。

〔Goodのサイン〕

　アメリカでは、親指を上げて他の四本の指を曲げたサインは「GOOD」の意味です。

　アメリカ人同士はこのサインを頻繁に使いますが、日本人同士だとちょっと気恥ずかしい気もしますね。

〔意思表示の方法〕

　アメリカでは、親指を立てて下に向けると「No」とか「反対」の意思表示となります。

〔腕組み〕

　ビジネスの場で腕を組むと「敵対」の意思表示として受け取られてしまうことがあります。

　海外でビジネスの打ち合わせをする際には、絶対に腕を組まないよう気をつけないと、うまくゆく話もご破算になりかねません。

〔ピースサイン〕

　集団旅行などで記念写真を撮るとき、日本ではよく「ピースサイン」をして楽しみます。

　しかし、アメリカでそれをやると、同性愛者と思われることがあるので、注意が必要です。

　また、手の甲を前に向けてピースサインをすると、相手を侮辱していると受け取られてしまう可能性があるので危ないです。

〔手招き〕

　日本では「おいでおいで」をする時、手のひらを下にして手招きします。これって本当に「おいで」を示す微笑ましいサインです。

　でも、アメリカではこれが全く逆の意味になってしまうのです。アメリカでは「向こうへ行け」という意味になるんです。

　アメリカでは、手招きするときは手のひらを上に向けて手招きするのが一般的です。アメリカでは、日本流の手招きには十分注意しましょう。

〔指し示す〕

　日本では、自分自身を指し示すときは、自分の顔を指さすのが普通です。

　しかし、アメリカでは、片手を自分の胸に置くか、親指で胸を指します。自分は胸の中にありという意味だといいます。

　他の人を指すときは、人差し指で指すのではなく、手全体を使って指します。また、人だけではなくものを指す場合も、手全体を使うのが一般的です。

アメリカはグリーティングカードの社会

〔グリーティングカード社会〕

　アメリカは正にグリーティングカード社会です。何があっても頻繁にカードでの挨拶が行われます。

　誕生日、冠婚葬祭、子供の出産、送別、クリスマスなどカードで挨拶しますが、カードは、父、母、子供、兄、妹、友人など別に千差万別に売られています。

　このような習慣がとても激しいため、クリスマスシーズンともなるとアメリカ人はカードや贈り物ノイローゼになる人が多いと聞きます。

アメリカ人はパーティが大好き

〔パーティに呼ばれる〕

　結婚式とか新築住居祝いとかクリスマスなどのパーティに招待されることがあります。この招待状に「RSVP」や「R.S.V.P.」などと書かれています。

　「R.S.V.P.」とは、もともとはフランス語で、

　「Repondez s'il vous plait（レイポンデ シルブプレ）」

　の頭文字を略号で示したものです。それは

　「お返事お願いします」

誕生日ともなると

〔子供の誕生〕

　アメリカ人の子供が生まれると周りの人々は「コングラチュレーションズ」をいってお祝いします。また、職場では周囲の人が集まって、寄せ書きのカードを贈ったり、子供衣料などの沢山入ったお祝いをあげたりします。

　これに対して、親になった本人の方はカードでお礼をします。

　子供がうまれると職場の掲示板にこんな貼り紙がでます。

　It's a boy!（男の子でした）

　この掲示には子供の名前、両親の名前、生まれたときの体重（8ポンド3オンスなど）、身長（25インチなど）が記入されていて微笑ましいものです。

　アメリカでは子供が産まれると葉巻たばこを配る習慣があります。

〔誕生日（ハッピーバースデイ）〕

　アメリカでは個人の誕生日などは大変重要で、例えば会議中でも個人の誕生日だと分かると出席者全員が突然ハッピーバースデイを歌いだします。日本人には意外ですが、アメリカ人には当たり前のようです。

〔誕生パーティ〕

　誕生パーティは子供だけの行事ではありません。アメリカではランチ時間に外食に出かけることが多いのですが、仲間の誰かの誕生日には寄せ書きの誕生カードを準備し、職場の仲間同志が集って中華レストラン等に行き、ランチタイムにパーティを行います。

　アイスクリームにさしたロウソクに点灯し、みんなでハッピーバースデーを歌って祝います。50歳過ぎともなると、日本ではなかなか味わえないとても楽しい行事の一つです。